「チャトランガの正しいやり方を知りたい」
「チャトランガができないのは、なんで?」
「チャトランガってどんな効果があるの?」
「ヨガのポーズの中でも上級者向けって聞いたけど、本当にできるようになるのかな・・・」とチャトランガに苦手意識がある人も多いです。
「でも、難しいし、きついからいつも適当にやっている・・・」という人もいるのではないでしょうか?
そ、そ、それはもったいない・・・!
なぜなら、チャトランガは、腕周りだけでなく、全身の筋力を鍛えられるヨガの基礎とも言えるポーズだからです。
正しいやり方で行えば、憧れのアームバランスも夢ではありません。
この記事では、ヨガを始めたばかりの初心者や、チャトランガに苦手意識がある方に向けて、チャトランガのやり方やできない理由8選、効果などをわかりやすく解説!
記事を読み終えたころには、チャトランガがやりたくて、身体がウズウズしてくるはず。
それでは、まいりましょう。
▼この記事に協力してくださった方

渡邉宏佳さん
■ヨガインストラクター
■全米ヨガアライアンスRYT500
■神梅館代表
大正11年から続く古民家の隠れ宿「神梅館」の代表。ヨガインストラクターとしてのご経験を活かして旅館代表も務めている国内でも稀有(けう)なご存在。腰が低く、親切丁寧な対応をしてくれると話題になり、ヨガリトリートとして群馬県みどり市にある神梅館を訪れる人も。四季の豊かな旅館の特色を活かした集中力が高まるパーソナルレッスンやグループレッスン、滝ヨガやSUPヨガも人気。
Instagram:@hiroka_watanabe
チャトランガ・ダンダーサナとは?

チャトランガ・ダンダーサナは、正式名称を「チャトランガ・ダンダ・アーサナ」と呼び、一般的には「チャトランガ」と略されるヨガのポーズ。
サンスクリット語でchatuurが「四」、angaが「部分」と訳され、チャトランガで「四肢で支える杖のポーズ」を意味します。
太陽礼拝シークエンスの中でも最も難易度の高い基本ポーズのひとつです。
チャトランガは、プランクのような姿勢から上腕三頭筋や大胸筋、三角筋を使って体を支える動作が求められます。
なので、腕の筋力が不足している初心者にとっては、特に難しいと感じやすいポーズです。
チャトランガを正しく行うためには、肩甲骨を安定させ、肘を体側に引き付けた状態で、体全体を一直線に保つ必要があります。
手首や肩関節に過度な負担がかからないよう、適切なアライメントを意識するのが大事です。
多くのヨガ実践者がチャトランガに苦戦しますが、基礎的な筋力トレーニングを重ねながら、段階的にポーズを練習できる重要なポーズになります。
チャトランガができると、他のよりハイレベルなヨガのポーズへもスイスイっと進めるヨガの土台となるポーズです。
チャトランガの正しいやり方
ヨガを習っている方なら、一度はチャレンジした経験があるであろう「チャトランガ」。
できない方も多い難しいポーズではありますが、できるようになるとメリットはたくさんあります。
まずは、正しいやり方をおさらいしてみましょう。
肩の真下に手を置き、指をしっかり広げて床をつかむようにしましょう。

片足ずつ後ろに引き、つま先を立てて肩幅に開きます。頭のてっぺんからカカトまでが一直線になるように意識しましょう。

息を吐きながら、脇を締めたまま肘を曲げ、上腕が床と平行になるまで下ろします。肘は90度、肩は手首の高さよりも下がらないように注意してください。
そのまま3~5回深く呼吸しましょう。
お腹の力を抜かず、背中をまっすぐキープするのがポイントです。
チャトランガの注意点
チャトランガは、ヨガの中でも特に負荷が高いポーズ。
正しいフォームで行わないと、手首や肩を痛める原因になる場合もあります。
では、どのような点に気をつければ、安全にチャトランガを行えるのでしょうか?
具体的には以下の3つです。
- 腕のアライメント
- 手のひらにも注意
- 体幹を使う
上記の注意点について解説をしていきますね。
腕のアライメント

チャトランガを行うとき、腕のアライメントが崩れると手首や肩に負担がかかり、ケガの原因になってしまいます。
特に勢いに任せてしまうと、フォームが乱れやすいので注意が必要です。
では、どのようにすれば正しい腕の使い方ができるのでしょうか?
ポイントは5つです。
ワキを締める
ワキが開くと腕が外側に流れ、肩や手首への負担が増します。
胴体の横にぴったりと寄せるように意識しましょう。
腕を外旋する
上腕を外側に回すように意識すると、肩が安定しやすくなります。
見た目で言うと、肘の曲がる皴がある方を前にキュッと向けるイメージです。
腕を外旋すると、脇も締まりやすくなって腕の負担が軽減され、しなやかにポーズをキープできます。
ヒジは90度に曲げる
ヒジを深く曲げすぎたり、伸ばしすぎたりすると、正しい負荷がかかりません。
ヒジを90度に曲げ、手首の真上に配置すると、安定したフォームを作れます。
肩をヒジより下げない
上半身を下げすぎると肩を痛めるリスクが高まります。
ヒジと同じ高さに肩をキープし、無理なく姿勢を保ちましょう。
上体を前にスライドする意識を持つ
プランクポーズからチャトランガに移行するとき、上体を少し前にスライドする意識を持つと、ヒジや肩が正しい位置に収まりやすくなります。
手のひらにも注意
チャトランガをするとき、手のひらの使い方を意識していますか?
もし手のひら全体でしっかり床を押せていないと、手首に余計な負担がかかり、痛める原因になってしまいます。
手のひらの接地が甘いと、腕の筋肉を十分に使えず、負担が手首に集中してしまいます。
特に、以下のような状態になっていませんか?
- 指がふわっと緩んでいる
- 手の甲が浮いてしまっている
- 小指側が浮いて親指側ばかりに体重が乗る
こうしたクセがあると、手首に負担がかかりやすくなります。
チャトランガでは、手のひら全体でマットをしっかりとらえる意識が大切です。
- 指を大きく開き、指の腹までしっかり使う
- 手のひらの「土踏まず」を作らないように、全体で均等に押す
- 指先まで意識して、マットをつかむように
手のひら全体でグッと床を押すと、腕全体の筋肉がしっかり働き、手首への負担が軽減されますよ。
体幹を使う
チャトランガをするとき、「気づいたらお腹がドスンと落ちてしまう…」そんな経験はありませんか?
お腹が落ちてしまうのは、体幹がしっかり使えていないのが原因です。
では、どうすれば安定したチャトランガができるのでしょうか?
チャトランガでお腹が落ちる主な理由は、以下の2つです。
- 体幹の筋力が足りない
- 体幹の深層部にあるインナーマッスル(腹横筋・多裂筋など)が十分に働いていないと、体を支えきれずにお腹から落ちてしまいます。
- 体幹の意識が抜けている
- 筋力があっても、正しく意識できていなければ十分に機能しません。
「腕で支えよう」と思いすぎると、体幹のスイッチがオフになり、お腹が落ちやすくなります。
お腹が落ちないようにするために、次の3つを意識してみましょう。
- おへそを背骨に引き寄せるイメージ
- 体幹のスイッチを入れるために、おへそを背骨にぐっと近づける意識を持ちましょう。これだけでも、体が安定しやすくなります。
- 肩からかかとまで一直線をキープ
- プランクの姿勢をつくり、そのまま肘を曲げるイメージでチャトランガに入ります。背中が丸まったり、腰が反らないように注意しましょう。
- ゆっくり動いてコントロール
- 急いで動くとフォームが崩れやすくなります。特に下ろすときは「スローモーション」のようにゆっくりと。体幹の筋肉を意識しやすくなります。
チャトランガができないときのチェックリスト8選とコツ
チャトランガができない原因を以下の8つのチェックリストとそれぞれの改善方法を詳しく解説していきます。
- 肘が開いてしまう
- 肘以外の意識ができない
- 肘が曲げられない、手首・肩が痛い
- お尻が上がる
- お腹が床に着いてしまう、胸が床に着いてしまう
- 体が床に落ちてキープできない
- 重心が後ろに下がり過ぎている
- 視線が手元にある
ヨガのポーズは美しいアーサナをとれるようになるのがゴールではなく、身体からマインドにアクセスして、心のなかに余白を作るのが目的。
だから、上記のポイントがすべてできるようにならなければいけないわけではありません。
とはいえ、チャトランガを深めていくと気になる部分も出てくると思うので、そんなときの参考にしていただけたらなと思います。
というわけで、上記8つのチェックリストについて解説をしていきますね。
肘が開いてしまう
チャトランガの練習中、「ぐらっ」と肘が開いてしまう経験はありませんか?
じつは、チャトランガをするときに肘が開いてしまう人、とても多いです。
肘が開くと上半身の重みが腕に集中し、手首や肩を痛める原因となってしまいます。
正しいフォームでは、まるで両脇に翼を畳み込むように、肘をしっかりと体側に寄せます。
「キュッ」と脇を締めると、体幹と上半身が一体となって安定した状態を作り出せるんです。
同時に、手首の真上に肘がくるようにポジションを調整し、体を少し前方にスライドさせるのがポイント。

さらに重要なのが、プランクポーズからの移行時の肘の使い方です。
多くの人が肘を完全に伸ばしてしまいがちですが、これは逆効果。
肘は完全に伸ばしきる手前で、わずかに「ふんわり」と柔軟性を持たせておくと、スムーズなチャトランガへの移行が可能になります。
肘以外の意識ができない
チャトランガダンダーサナでは、肘の位置だけでなく全身の意識が重要なポーズです。

- 肩と肘の位置
- 肩と肘は同じ高さをキープ。肩と首との距離を長く保つ。
- 肩甲骨
- 肩甲骨はグッと腰方向へ引き下げると、肩周りの安定感が増す。
- 軸
- お腹をギュッと引き込み、身体の中心に1本の軸があるようなイメージを持つ。
上記により、全身のアライメントが整い、ポーズの完成度が格段に上がるでしょう。
初心者の方は、まず各部位の動きを個別に練習するのをおすすめします。
例えば、四つ這いの状態で肩甲骨を動かす練習をしたり、壁に手をついて肩と肘の位置関係を確認したりするのが効果的です。
慣れてきたら、ヨガブロックを活用して肩の高さを調整しながら練習すると、より正確なフォームが身につくはずです。
さらに、呼吸と動きを同調させると、スムーズな動作の流れを作り出せるでしょう。
肘が曲げられない、手首・肩が痛い
「チャトランガで肘が曲げられない」「手首や肩に痛みを感じる」という原因の多くは、プランクポーズでの肘の伸ばしすぎにあります。
プランクポーズは、チャトランガに入る前のポーズ。
チャトランガに入る前の段階でピーンと肘を伸ばしきってしまうと、まるで猿腕のように肘の内側が反り返ってしまうんです。
肘が反り返ってしまうと、腕の筋力を効果的に使えず、肘の関節を取り囲む腱が伸びきった状態で骨を支える状態に。
正しいプランクポーズの姿勢では、肘は完全に伸ばしきる手前でストップ。

スーッと胸や腕の筋力を使って、上体の重さをしっかりと支えましょう。
肘をガチガチに固定せず、ほんの少しだけ柔らかく保つイメージです。
すると、チャトランガに移行する際もスムーズに肘を曲げるられるでしょう。
お尻が上がる
チャトランガで胸を床に近づけようとすると、お尻が高く上がってしまう悩みを抱える人も少なくありません。
お尻が上がる現象は、主に胸や腕の筋力不足が原因。
筋力が十分でないと、ついつい腰が引けてしまい、結果的にお尻がふわっと浮き上がってしまいます。
ポーズを正しく取るためには、以下の3つがポイントです。

- 胸のポジション
- ぐっと脇を締めながら肘を曲げ、胸は両手の間、もしくは少し前方へ近づけていくとチャトランガの姿勢がスーッと楽になる。
- 手首のポジション
- 手首の真上に肘がくるように意識。
- 視線
- 視線は手のひらよりも少し前方に置くと、自然と上体が安定する。
視線をヨガでは「ドリシティ」と呼んでいて、ポーズを正しく保つために重要な要素です。
なぜなら、身体は視線に引っ張られるように動いてしまうという影響を受けるから。
視線ひとつで、意外にチャトランガがグッと安定するかもしれませんよ。
お腹が床に着いてしまう、胸が床に着いてしまう
チャトランガで上体を下げるときに、お腹や胸が床についてしまう原因の多くは、体幹の筋力不足です。
特に腹筋が弱いと、スッと体が崩れてしまうケースを多くみます。
改善するにはまず、チャトランガに入る前のポーズ、プランクの姿勢から意識的に腹筋を使う練習が効果的です。
具体的な改善方法として、恥骨とみぞおちを軽く近づけるようにお腹を引き込むところから始めましょう。
同時に、ぐっと力むのではなく、スーッとお腹を薄く保つイメージを持つのがコツです。

正しくできると、腰が反りにくくなって、腰痛予防にもなります。
お腹の力を緩めずに、頭からかかとまでが一直線になるように意識しながら、30秒から1分程度キープするのを目指してみてくださいね。
体が床に落ちてキープできない
チャトランガでガクッと床に落ちてしまう原因は、主に上腕三頭筋の筋力不足にあります。
たまに、上腕二頭筋の筋力不足を指摘するケースがありますが、上腕二頭筋はチャトランガのポーズではあまり筋力を発揮できません。
なぜなら、チャトランガで肘が曲がりすぎてしまうのを防ぐために肘を伸ばす筋肉である上腕三頭筋の筋出力が必要になるからです。
上腕三頭筋は、特に女性の場合、未発達なケースが多いため、スムーズなポーズの移行を難しくさせています。
上腕三頭筋を鍛えるには、腕立て伏せ(肘を閉じた姿勢で行う)が一番の近道です。
もし、腕立て伏せがきつい場合は、膝つきで行ってもいいですし、壁を使って腕立て伏せをやってみるのもオススメ。

また、体幹の安定性を高めると、さらに体が床に落ちにくくなります。
お腹を引き込んで腹横筋や腹斜筋を意識的に使うのも大切なポイントです。
他にも、多裂筋や骨盤底筋群といった深層筋も重要な役割を果たしています。
多裂筋や骨盤底筋群は排便を我慢するような感覚でお尻の穴をキュッと締めた状態をキープして、椅子から立ち座りをすると鍛えられますよ。
重心が後ろに下がり過ぎている
チャトランガで重心が後ろに下がってしまう人をよく見かけます。
後ろ重心だと、肘を曲げる際に手首や肩にかかる負担が大きくなってしまうんです。
チャトランガがきついだけでなく、怪我のリスクが高まってしまいます。
スムーズに動作を行うコツは、上体を前方へグッと移動させること。

まるで波に乗るようなイメージで、体を前にスライドさせながら肘を曲げていきましょう。
視線は手のひらより少し前方に置くと、自然な重心移動が生まれやすいです。
視線が手元にある
チャトランガがうまくできないときに、意外と見落としがちなのが視線の位置です。
初心者の人は無意識のうちに手元に視線を落としがち。
すると、姿勢の崩れを引き起こす原因になってしまうんです。
なぜななら、目線が手元だと頭が下がり、頭と連動して肩がすくみやすくなってしまうから。
正しい目線は、手元よりやや前方(10㎝程度)に設定しましょう。
首を長く保つ意識で行うとよりよいです。

視線を整えるだけでも、肩や首に余計な力が入らなくなるので、呼吸がスムーズになります。
身体も無駄な力感から解放されて、一直線を保ちやすくなるので、見た目も美しいアーサナ(ヨガポーズ)になっちゃいます。
チャトランガができないときの軽減法
チャトランガダンダーサナは、多くのヨガ初心者が苦手意識を持つポーズの一つ。
上級者でも完璧な形を保つのが難しい場合があります。
チャトランガは、以下のような軽減法や補助ポーズを取り入れながら少しずつ練習すれば、無理なく上達できます。
- 8点で支えるポーズ
- 壁を使う
- プランクポーズ
- 膝をつく
いまから解説するやり方を知って、焦らず、自分のペースで進めていきましょう!
8点で支えるポーズ(アシュタンガナマスカーラ)の練習

チャトランガダンダーサナの練習初期には、アシュタンガナマスカーラを取り入れるのをお勧めしています。
8点で支えるポーズは、顎・胸・両手・両膝・両つま先の8点で体を支えるため、上半身への負担が軽減されるんです。
プランクポーズを作るように、手首を肩の真下、体を一直線に伸ばします。お腹が落ちないように下腹部を引き締め、背中が反らないよう意識しましょう。
息を吐きながら、ゆっくりと膝を床に下ろします。(ドスンと落とさないように!)上半身は「板」のように保ったまま、肩がすくまないよう脇を締めます。胸とおでこを床に同時に下ろします。また、お腹は床につけず、軽く浮かせておきましょう。
アシュタンガナマスカーラでは、両つま先・両膝・両手・胸・おでこの8点が床についています。ここで、肩が前に出すぎないように肩甲骨を下げ、肘を体に寄せましょう。腰が反らないようにお腹の力をキープするのを意識。5呼吸ほどキープすると効果的です。(太陽礼拝の流れで行う場合は、5呼吸キープせず、そのままコブラのポーズへとつなげます。)
お腹を床に下ろし、足の甲を寝かせます。両手を顔の下で重ね、おでこを置くか、顔を横に向けて休憩しましょう。
無理せず続ければ、いつかスムーズにチャトランガができるようになりますよ。
私のレッスンでは、生徒さんに最初の3週間はアシュタンガナマスカーラで練習するのを提案しています。
焦らず段階的に進めると、肩関節を痛める危険性も減少し、より安全に練習を続けられるからです。
壁を使って立ってチャトランガの練習

チャトランガの基本的な動きを習得するには、壁を使った練習がとても効果的です。
重力の影響を軽減できるため、初心者の方でも安心して取り組めます。
壁の前で、ヤマのポーズ(タダーサナ)の姿勢をとりましょう。背筋をスっと伸ばし、両足をしっかりと床に接地させます。
次に、両腕をまっすぐ前に伸ばして、掌全体を壁にぺったりとつけます。手首は肩の高さにくるように位置取りをするのがポイント。
脇をキュッと締めて、背骨は長く伸ばします。ゆっくりと息を吐きながら、胸を壁に近づけます。相対的に肘は後ろに引いていく形です。上腕三頭筋(二の腕の裏面)にグッと力が入るのを感じてください。
肘が90度になるまで曲げていきますが、急いで行う必要はありません。
壁トレを毎日3セット、10回ずつ行えば、チャトランガに必要な筋力が自然とついていきます。
慣れてきたら、壁との距離を少しずつ広げていき、より本来のチャトランガに近い形で練習してみるのがおすすめです。
プランクポーズの練習

手は肩の真下、ヒザは骨盤の下にセット。
つま先で床を押し、両足を伸ばしていきます。
腰が落ちたり、反りすぎたりしないよう注意。
呼吸を止めず、じんわりと体幹に効かせましょう。
チャトランガを安定して行うためには、まず体幹をしっかり鍛えるのが大切。
体幹を鍛えるための基本トレーニングとして「プランクポーズ」が効果的です。
でもなぜ、プランクポーズが大事なのでしょうか?
プランクポーズは、
- 体幹を強化してブレない軸を作る
- 腕や肩の筋力をアップして上半身の安定感を高める
- 正しい姿勢を身につけて、チャトランガのフォームを整える
といったメリットがあります。
特に「カラダの芯を作る感覚」を身につけるのが、スムーズにチャトランガへ移行するカギになります。
- お腹にギュッと力を入れる
→体幹を意識すると安定しやすい! - 肩がすくまないように注意
→首を長く保つイメージで。 - 目線は少し前へ
→頭が下がると背中が丸くなりやすい。
まずはプランクを安定してできるように練習してみましょう。
しっかりと体幹が鍛えられれば、チャトランガもスムーズにこなせるようになりますよ!
太陽礼拝でチャトランガからアップドッグに移るコツ
そもそもなぜ、チャトランガからアップドッグへの移行が難しいのでしょうか?
チャトランガからアップドッグへの移行が難しい理由はいくつかあります。
- 反りの動作が体に大きな負担をかけるため
- 手首に体重がかかり続けるため
- 腰への負担が大きいため
- 集中力が途切れやすいタイミングだから
上記の難しい理由を前提に、どうやったら移行が上手にいくのでしょうか?
具体的なコツは以下の4つです。
- 手と足の位置をキープ
- 正しい移行の手順
- 集中力を保つコツ
- 腰や手首を痛めないための注意点
上記について解説をしていきますね。
ここからリンク公式YouTubeでも、太陽礼拝のときのチャトランガからアップドッグ、ダウンドッグまでの移行方法を解説しています。
動画で解説をみたい人はぜひ以下を参考にしてみてくださいね。
手と足の位置をキープ
まず覚えておきたいのは、手と足の位置はチャトランガからアップドッグ、そしてその後のダウンドッグまで変えないという点。
なぜなら、安定した土台があってこそ、スムーズな移行が可能になるからです。
正しい移行の手順
- 脇をぎゅっと締めて、背筋を意識する
- つま先を返す(足の甲を床につける)
- 胸を前に開いていく
- 内腿を締めながら、足の甲でも床をぐっと押す
手の力だけで持ち上がろうとすると、手首に負担がかかりすぎてしまいます。
足の甲の力も使えば、全身でバランスよく体を支えられますよ。
集中力を保つコツ
ポーズからポーズへの移行時は、どうしても意識が外に向きがちです。
「次は何だっけ?」と考えてしまうと、集中力が途切れてしまいます。
これが怪我の原因になる場合も・・・!
移行の瞬間こそ、呼吸に意識を向け、ゆっくりと動きを感じてみましょう。
焦らず、一つひとつの動きを丁寧に行うのが大切です。
腰や手首を痛めないための注意点
- 自分の反れる許容範囲を超えない
- 肩が手首より前に出ないようにする
- 無理に反らず、少しずつ柔軟性を高めていく
「ぐっ」と無理に反ると、とにかく腰に負担がかかります。
また、肩が手首より前に出てしまうと、手首周りの柔軟性の許容範囲を超え、痛みの原因に。
自分の体と対話しながら、無理のない範囲で練習を続けのが上達の秘訣です。
チャトランガの効果
チャトランガは以下のような効果が期待できます。
- 二の腕の引き締め
- お腹が引き締まる
- 体幹の強化
- インナーマッスルの強化
- ヨガのスキルアップ
それぞれの効果について詳しく解説していきますね。
二の腕の引き締め

チャトランガでは、特に二の腕の後ろ側にある上腕三頭筋を重点的に鍛えられます。
上腕三頭筋は普段の生活ではあまり使わないため鍛えにくく、女性にとっては特にお肉がつきやすい悩みの種。
でも、チャトランガを続ければ、ぷるんとしたたるみが「すっきり」と引き締まっていくのを実感できますよ。
ちなみに、より効果を高める方法も。
- チャトランガの状態で5秒間キープする
- 肘の曲げ伸ばしを5~10回繰り返す
- 呼吸を意識しながらゆっくり動作する
特に肘の曲げ伸ばしを繰り返すと、二の腕により強い刺激が入り、「スラッ」としたラインを作るのに効果的です。
最初は3回からでもOK。
徐々に回数を増やしていきましょう。
お腹が引き締まる

チャトランガは単なる腕立て伏せとは違います。
実は、体を一直線に保つためにはお腹のインナーマッスルの力が必須なんです。
特に腹横筋と言って、お腹を前から後ろまでグルっと覆っている筋肉に効きます。

腹横筋は、別名コルセット筋と言われていて、矯正コルセットのように、お腹をキュッと引き締めてくれる効果があるんです。
ちなみに、腹直筋が強化されるとお腹が引き締まるという説明をされるケースも。
ですが、腹直筋はお腹の前側にホッソリとついている筋肉。
なので、腹横筋のようなウエストラインをキュッと引き締める効果はありません。
何が言いたいかというと、チャトランガでお腹に力を入れるときのイメージとしては、お腹の前側だけでなく、お腹全体がキュッと引き締まるようなイメージで力を入れるのが最適というわけです。
体幹の強化

チャトランガの効果といえば、やっぱり「体幹の強化」。
特に、体幹の深層にある「ローカルマッスル」がしっかり働くと、姿勢が安定し、動きの質もアップします。
そもそもローカルマッスルとは、体幹の奥深くにある筋肉で、インナーマッスルとも呼ばれます。
ローカルマッスルは、直接腰椎に付着していて、背骨や関節を安定させる大切な役割を持っています。
具体的には、以下のような筋肉がローカルマッスルに分類されます。
- 腹横筋
お腹をコルセットのように引き締める - 多裂筋
背骨を支え、姿勢をキープ - 横隔膜
呼吸をサポートし、体幹の安定に貢献 - 骨盤底筋
骨盤の安定を支え、内臓を支える

上記の筋肉がしっかり働くと、すべての動作の「準備」が整い、美しい姿勢が保てる効果や関節の安定性を高める効果があります。
チャトランガで、ローカルマッスルを効率よく鍛えるポイントは次の3つです。
- お腹を引き締める意識を持つ
おへそを背骨に引き寄せるイメージで、お腹をしっかり引き締めましょう。 - 背骨を一直線にキープ
腰が反ったり、お尻が落ちたりしないように、肩からかかとまで一直線を意識。 - ゆっくりコントロールしながら降ろす
プランクからチャトランガへの移行時に、じんわりと身体を落としていく。
チャトランガを通じてローカルマッスルを鍛えると、体幹がガッツリ強化されます。
結果、姿勢が整い、他のヨガポーズもスムーズに。
普段のヨガやトレーニングに取り入れて、ブレない体幹を手に入れられますよ。
インナーマッスルの強化

チャトランガは、体の芯から健康的な身体づくりを目指せる素晴らしいポーズです。
両手両足でじっくりと体を支えると、表面的な筋肉だけでなく、普段の生活では意識しにくい深層筋にもグッと効果が及びます。
特に、腹横筋や多裂筋といった体幹を支えるインナーマッスルがしっかりと刺激されるため、姿勢の改善や腰痛・肩こり予防にも役立ちます。
ポーズを取る際は、体が一直線になるようにじわじわと下ろしていくのがポイント。
上手にできると、体の中心部がキュッと引き締まるのを感じられるはずです。
呼吸を止めずにゆっくりと動作を行うと、横隔膜も自然と鍛えられていきます。
これにより、内臓の働きが活発になり、消化機能や免疫力の向上も期待できるのです。
さらに、チャトランガを継続的に行うと、骨盤底筋群も鍛えられます。
骨盤底筋群は、内臓を正しい位置に保持する重要な役割を担っており、尿漏れ予防や性機能の向上にも効果があると言われています。
1日たった5分でも、コツコツと続ければ、体の内側から健康的な身体づくりを実現できます。

ヨガのスキルアップ

ヨガを続けていると、もっと難しいポーズにチャレンジしたくなる瞬間が訪れますよね。
スキルアップの鍵を握るのは、実は体幹やインナーマッスルの強化なんです。
特にチャトランガは、多くのヨガポーズの基礎となる重要なポーズ。
チャトランガをマスターすると、バランスポーズやアームバランスが格段に安定し、できるポーズの幅がぐんと広がるんです・・・!
筆者のクラスでは「体幹が喜ぶ感覚を味わって」とお伝えしていますが、実際に強化されると自分の体の変化に驚くはず。
とはいえヨガの旅は焦らず、自分のペースで一歩一歩進んでいくのも大切に。
チャトランガに関するよくある質問
チャトランガダンダーサナについて、多くの方から寄せられる疑問にお答えしていきましょう。
- チャトランガと腕立て伏せの違いは?
- チャトランガは体のどこに効く?
- チャトランガの練習頻度はどのくらいが良い?
以下で、よくある質問と回答をしていきますね。
チャトランガと腕立て伏せの違いは?
チャトランガと腕立て伏せは、一見すると似たような動きに見えますが、実際には大きな違いがあります。
腕立て伏せ(プッシュアップ)は、両手を胸の真下に置き、上下運動を主体とした伝統的な筋力トレーニング。
一方、チャトランガは太陽礼拝の一連の流れの中で行うヨガのポーズとなっています。
最大の違いは、チャトランガでは体を前方へスライドさせながら肘を90度まで曲げていく点。
チャトランガにより、腹横筋や腹直筋、脊柱起立筋といった体幹の筋肉群を効果的に刺激できます。
また、肘を体側にぴったりとくっつけると、大胸筋や上腕三頭筋にも強い負荷がかかるのが特徴的です。
腕立て伏せは肘を横に開いて行うと思いますが、肘を開いて鍛えられる筋肉が大胸筋なのに対し、チャトランガは体全体の筋力を必要とする難易度の高いポーズとなっています。
チャトランガは体のどこに効く?
チャトランガで主に働く筋肉は、大胸筋、上腕三頭筋、体幹筋(腹横筋、横隔膜、多裂筋、骨盤底筋など)です。
特に注目したいのは、体幹部分への働きかけ。
腹横筋や骨盤底筋、背中の脊柱起立筋をしっかりと刺激するため、ぽっこりお腹の解消や姿勢改善に効果てきめんです。
さらに、腕を曲げて体を支える動作により、大胸筋や上腕三頭筋にもしっかりとアプローチ。
二の腕のたるみが気になる方や、バストアップを目指す人にもおすすめです。
そしてじつは、チャトランガは肩こりの改善にも効果的なんですよ。
肩甲骨周りの筋肉をじんわりと刺激するので、デスクワークで凝り固まった肩周囲筋の血行を促進する効果があります。
チャトランガの練習頻度はどのくらいが良い?
チャトランガの練習は、週に2〜3回程度から始めるのがベストです。
体が「ぐったり」となるまで追い込むのではなく、「すっきり」と爽快感を感じられる程度の強度で行いましょう。
筋肉に「じんわり」と心地よい疲労感を感じる程度が理想的な強度といえるでしょう。
初心者の人は、まず膝をつけた状態で10回ほど行い、徐々に回数を増やしていくのをおすすめします。
上級者でも毎日の練習は避け、最低でも週に1日は休養日を設けるようにしてください。
また、練習時間は1回15〜20分程度が目安になります。
練習を継続する際のポイントは、生活の中のルーティンに組み込むことです。
たとえば、朝に行うのもおすすめ。
なぜなら早朝6時から7時の間に行うと、体が「しゃきっと」目覚め、1日を活力的にスタートできます。
さらに、練習記録をつけると、自身の上達度合いを確認できるため、モチベーション維持にも効果的です。
ただし、肩や手首に違和感を感じたら、すぐに練習を中止して休養を取るのも重要です。
無理な練習は怪我のリスクを高めるため、体調と相談しながら、長期的な視点で練習を続けていきましょう。
まとめ:チャトランガで得られるヨガの効果を実感しよう
チャトランガは、アームバランスの基礎となる重要なヨガのポーズです。
初心者にとってはハイプランクから低い腕立て伏せのような動きを保持する難しいポーズですが、継続的な練習で必ず上達への手応えを感じられます。
チャトランガを習得すると、クロウポーズやピンチャマユーラーサナなど、より高度なアームバランスのポーズにもスムーズに挑戦できるようになります。
ただ最初は、膝をつけた状態や30秒程度の短い時間から始めるのがおすすめ。
呼吸を整えながら、肩甲骨を引き寄せ、腕の力を意識して行うのがポイントになります。
日々の練習を通じて上半身の筋力が向上し、体幹も自然と強化されるはずです。
焦らず自分のペースで基本的な動きをマスターすれば、ヨガの実践の幅が大きく広がっていきますよ!
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