広島チャリティーイベントとして、きのう(平成30年9月3日)高校にトレーナーとして指導サポートさせていただきました。
イベントは、ニューバランスさんとポカリスエットでおなじみ大塚製薬さんとのコラボ企画です。
平成30年7月の豪雨により、被害にあわれた方にあらためてお見舞い申し上げます。
今回サポートさせていただいたエリアでも、未だに交通機関の復旧が間に合わず、通学に難を要している生徒さんもいると聞きました。
そんななかで、微力ではありますが、なにか少しでも広島の子たちに元気をお渡しできればと思い、サポートした次第です。
当日の写真や高校名はまだ公開できないのですが、県内でもスポーツが盛んで、サッカー部や陸上部は全国レベルの実力を持っている強豪校です。
そのなかのひとつのセッションで「足が速くなる方法」について伝えました。
今回は、サッカーや陸上競技(短距離や長距離)に限らず、スポーツ選手なら誰もが気になる足が速くなる方法について書いていきます。
足が速くなる方法のキーワードは“ブレーキ筋”と“アクセル筋”です。
それではまいりましょう。
足が速くなる方法でよくある間違い
高校生になると、骨格もしっかりしてくるので、部活動の中での筋力トレーニングも増えてきます。
現場でよく遭遇するのは、こんな場面です。
「太もも見て!結構モリっとしてきたでしょ」
「俺も最近鍛えてるから、太ももの筋肉が割れてきた」
この会話のなかで言う「太もも」は多くの場合、膝上にある大腿四頭筋という筋肉です。
じつはこの筋肉、足が速くなりたい人にとっては使い方を間違えると、反対にスピードが遅くなってしまいます。
つまり、足を速くするためにはブレーキとなってしまう筋肉。
大腿四頭筋は目の見えるところにあって、筋力トレーニングの成果を確認しやすい身体部位です。
スポーツ選手だと半ズボンで運動することもあって、身体のなかでも意識が高くなりすぎてしまう部分のひとつになります。
ではいったい、足を速くする方法として鍛えるべき筋肉はどこなのでしょうか。
足が速くなる方法で重要なのはアクセル筋のトレーニング
走るとき、筋肉にはさきほど話したブレーキ筋と、アクセル筋というものがあります。
ブレーキ筋である大腿四頭筋はスピードを落とす筋肉です。
アクセル筋とはハムストリングスのことを言い、加速を生む重要な筋肉になります。
ブレーキ筋が効きすぎると、いくらアクセル筋が働いても足を速くするまでには至りません。
たとえるなら、自転車。
自転車を漕ぐときにブレーキをかけ続けていれば、必死で漕いでもなかなか加速はできませんよね。
身体も自転車の話と一緒で、ブレーキ筋である大腿四頭筋を収縮させ続けてしまうと、陸上であればタイムは伸びませんし、サッカーであれば加速ができず、相手に動きを読まれてしまいます。
では、足を速くする方法としてどんな手段があるのでしょうか。
答えは簡単です。
アクセル筋であるハムストリングスを強化していけばいいのです。
ただし、強化するといってもハムストリングスの強化の仕方にはちょっとした注意点があります。
アクセル筋「ハムストリングス」を強化するときの注意点
ハムストリングスは、スポーツをするときに身体の中でも重要度の高い筋肉なので、負担がかかりやすい部位になります。
負担がかかりやすいハムストリングスは、「肉離れ」にもなりやすいことで知られているくらいです。
だから、鍛え方を間違えると怪我の誘発にもつながりかねません。
しかし正しい鍛え方さえ知ってしまえば、怪我の発生を予防できるだけでなく足を速くすることにもつながるんです。
では、どう鍛えればいいのか。
それは、ハムストリングスの上部を効かせたトレーニングが有効です。
ハムストリングスは、お尻から膝裏までグーンと伸びている細長い筋肉です。
世の中に知られているハムストリングスの多くのトレーニングはハムストリングス下部を鍛えるものになってしまっています。
ハムストリングスは、先ほどの画像を見ていただいてもわかる通り、筋肉のボリュームは下部よりも上部の方が大きいです。
筋肉のボリュームが元々少ないハムストリングス下部を鍛えてしまうと、キャパオーバーとなって故障してしまいます。
だから、ハムストリングス上部を狙ったトレーニングをすべきなのです。
「じゃあ、どうやってハムストリングス上部のトレーニングをするの?」という声が聞こえてきそうなので、足を速くする方法としても効果的なトレーニングを紹介します。
【足を速くする方法】ハムストリングス上部を活性化!
いまから紹介するトレーニングは、筋力トレーニングではありません。
「え?!鍛えるって言ってたから、筋力トレーニングじゃないとダメなんじゃないの?」とも思うかもしれません。
ですが、実際「筋力トレーニングをして筋肉量が増えるのは3カ月間継続して行った場合」という研究結果が明確に出ています。
3カ月って、そんなに待ってられないですよね。
選手には時間に限りがあります。
だったら即効性のあるトレーニングの方がいいですよね。
そこでおすすめなのが、以下のトレーニングです。
トレーニングというよりも、ストレッチ感が強いですが、即効性があります。
即効性を確かめたい場合は、上記トレーニングをやる前とやった後で、足の軽さやジョギングのしやすさなどをやり比べてみてください。
トレーニング後に効果が実感できた人は、練習前、練習中、練習後と頻回に上記トレーニングを取り入れてみてくださいね。
3週間程度、続ければ、きっと足が速くなっている、もしくは楽に走れるようになるはずです。
まとめ
いかがでしたか?
足を速くする方法として、以下の点を伝えていきました。
- ブレーキ筋である大腿四頭筋は使いすぎない走り方が大切
- アクセル筋であるハムストリングスの強化が重要
- ハムストリングス上部を鍛えていくのがコツ
そして、最後には実際にハムストリングス上部を鍛えるひとつの方法としてのトレーニングを紹介しました。
足を速くする方法は世の中にいろいろありますが、いままで選手のサポートをした経験上、ハムストリングス上部が使えるようになるとほぼ間違いなくなにかしらの効果が出ます。
興味のある方はぜひ、ハムストリングス上部を意識したトレーニングを行ってみてくださいね。