「脊柱管狭窄症でやってはいけないヨガポーズは?」
「脊柱管狭窄症でやってはいけないことって何?」
脊柱管狭窄症で腰の痛みや足のしびれで悩んでいる人は多いです。
なかでもご自身の体としっかり向き合えている人は、ご自身で運動をして症状を軽減しようと努力されている姿を日頃からよく見ています。
こんにちは。理学療法士歴12年、総合病院の外来部門や急性期病棟で12年の間、術後のリハビリも含めて脊柱管狭窄症で悩んでいる人とリハビリをしてきました、チカです。傍らでヨガ講師もしています。
脊柱管狭窄症の症状は、人によってさまざまですが、どの症状もご本人にとっては生活を妨げてきます。
そんな症状を改善しようと、ウォーキングやストレッチ、筋トレなど、楽になる方法を試して見た人もいるのではないでしょうか。
脊柱管狭窄症の症状を改善するための運動としてヨガも大変効果があります。
というのも、ヨガポーズをアレンジして目の前の患者様にもリハビリを提供していると症状が軽くなる人も多いからです。
ただヨガポーズのやり方を間違えると、逆効果になってしまう可能性も・・・。
そこで今回は運動の専門家であり、ヨガ講師でもある私が、脊柱管狭窄症でやってはいけないヨガポーズは何なのか、脊椎管狭窄症の人がやってはいけないことは何か、解説をしていきます。
やってはいけないことがわかれば、後はその運動を避けるだけ。
控えるべき運動がわかれば、ヨガポーズをいまよりももっと楽しめるようになります。
楽しめるようになるためには、まず脊柱管狭窄症についてを解説させていただきます。
解説した後で、やってはいけないヨガポーズと、ぜひ試してほしいヨガポーズを紹介していきます。
それでは、まいりましょう・・・!
脊柱管狭窄症とは
脊柱管狭窄症には、さまざまなタイプがあります。
- 頚部脊柱管狭窄症
→頚椎部(首)の狭窄 - 腰部脊柱管狭窄症
→腰椎部の狭窄 - 馬尾型
→脊柱管の中心部の圧迫 - 神経根型
→脊柱管の外側の圧迫 - 混合型
→馬尾型と神経根型の混合症状
なかでも腰椎部が狭窄を受ける腰部脊柱管狭窄症で悩まされている人が最も多いです。
腰部脊柱管狭窄症(LSS)は、症状が出ない人もいますが、お尻の痛みや足のシビレ、痙攣、脱力感などの症状が出ることもあります。
なかでも腰痛は最も多くみられる症状で、狭窄症の人はそうでない人に比べて3倍の確率で経験すると言われています。
ヨガが腰痛を和らげることはよく知られているので、私のクライアントさんでも症状軽減のためにヨガをしている人もいらっしゃいます。
実際、米国の新腰痛ガイドラインでも、ヨガは腰痛を軽減させるエクササイズのひとつとして認められている運動です。
したがって、医師からヨガの練習を許可されている人は、ヨガが有益であると言えるでしょう。
脊柱管狭窄症と言われると、理学療法士とのリハビリテーションを思い浮かべる人もいると思います。
ヨガはリハビリテーションと同様に、体幹を鍛え、脊椎の正しいしなり、弯曲をコントロールできるため、神経圧迫の影響を最小限に抑えることができるのです。
ですが、ヨガには注意点も。
確かにヨガは、症状が軽かったり、断続的、または時々痛みの出現する人には適しているかもしれません。
ですが、中等度から重度の狭窄症で頻繁に痛みがある人は、積極的なヨガには耐えられない可能性もあるのが注意点です。
ヨガの指導者や受講者が、一般的な動きやヨガポーズがどのように患部に影響を与えるのかを熟知していれば、ヨガの練習は脊柱管狭窄症の人の多くに良い恩恵をもたらします。
ということで今回は、脊柱管狭窄症でやってはいけないヨガポーズや運動を解説しつつ、反対に行うことで症状の軽減が図れる安全なやり方を解説していきます。
脊柱管狭窄症でやってはいけないヨガポーズを解説する前に。
狭窄にはさまざまな原因があります。
一般的に脊柱管狭窄症は、感染症、腫瘍、靭帯の肥厚や骨棘の成長、椎間板の問題などによって引き起こされると言われています。
関節炎財団によると、脊柱管狭窄症は若年層や先天性の発症もしますが、50歳以上の高齢者に最も多く見られるとされています。
変形性関節症や関節リウマチが原因となり、転倒などの外傷で脊椎を傷つけることだってあるのです。
また、脊柱管狭窄症は、脊椎と脊椎の間や、脊椎の内部、神経根が通っている部分など、脊椎のさまざまな部分で発生する可能性があります。
このように、脊柱管狭窄症の原因、圧迫される場所などは人によって異なるため、ヨガをするときにも個別のアプローチが必要となるのです。
どのような動作を避けるべきか、どのような動作に重点を置くべきかについては、まずは医師と相談し、そのうえで今回の記事があなたのお役に立てれば幸いに思います。
脊柱管狭窄症でやってはいけないヨガポーズ・禁忌運動【具体例】
脊柱管狭窄症の方への最も重要なアドバイスは、症状の増加に気づく時間がないほどにはポーズを急いでとらないことです。
脊柱の屈曲、つまりは体幹の前屈運動は、脊柱管狭窄症の多くの人に有効です。
非常に軽度の狭窄症の人であれば、多少の側屈、回旋、わずかな伸展であれば、症状を引き起こしたり、悪化させたりしなければ、許容できるかもしれない。
ですが、痛みの出ない姿勢から極端に身体を動かしすぎると、椎間板を圧迫し、神経をさらに圧迫してしまう可能性があります。
脊柱管狭窄症の方がヨガをするときは、痛みやしびれが増すようなポーズはすぐに中止するようにしてください。
重要な話なので少し強い言い方にはなってしまいますが、症状を引き起こしたり、悪化させたりするようなポーズや動きは “してはいけない “と必ず覚えておいてください。
とはいえ、いまは “してはいけない “ポーズや動きも、ヨガをしていくうちに身体がしなやかになっていき、いつかは症状を悪化させることなく楽しめるかもしれません。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここからは、脊柱管狭窄症でやってはいけないヨガポーズを解説していきますね。
具体的には、以下の5つです。
- 完全な倒立・逆転のポーズ
- 症状の増悪につながる後屈
- 体を捻じるヨガポーズ
- 深い側屈
- ロールアップして立たない
解説もしていきますね。
完全な倒立・逆転のポーズ
倒立をすると、上からの体重が加わるため、腰椎が圧迫され、神経が自由に通る空間がさらに狭くなる可能性があります。
さらに人によっては、倒立によって背骨を正常な位置である“ニュートラルポジション”に保つことが難しくなる場合も。
具体的には、ヘッドスタンド、ショルダースタンド、フォアアームバランス、ハンドスタンドなどが完全な倒立に当たるヨガポーズです。
これらの倒立ポーズで背骨をニュートラルに保つことができ、ポーズの出入りをコントロールできる長年のヨガ実践者でない限り、避けた方がよいでしょう。
代わりに、ダウンドッグや壁に足をかけるなど、より穏やかな逆転のポーズを試してみましょう。
症状の増悪につながる後屈
多くの脊柱管狭窄症患者さんは、腰椎の正常な弯曲、前弯が減少している傾向にあります。
腰椎の前弯とは、身体を横から見たときに腰椎が前方向へ向かって曲がっている状態を指します。
イラストのように、脊柱は前から見たときは真っすぐでも、横から見たときはS状にカーブを描いています。
腰椎をみてみると、前方に向かってカーブを描いているのがわかるはずです。
この前方向へのカーブのことを、前弯というのです。
脊柱管狭窄症の人は、腰椎の過度な前弯は症状を悪化させる可能性があります。
前弯をしてしまうと、脊柱管をさらに狭めてしまうからです。
したがって具体的なヨガポーズとしては、アップワードドッグ、ホイールを使ったヨガポーズ、ローカスト、キャメルなどの後屈は避けるようにしましょう。
スフィンクスやブリッジのような軽い後屈は、腕を使って後屈する脊柱の位置を胸の方だけに限定できるので、症状が悪化しなければ、腰部脊柱管狭窄症の人には適しているかもしれません。
体を捻じるヨガポーズ
体を捻るヨガポーズは、症状を引き起こしたり、悪化させたりするケースがあります。
捻りを伴うジャンヌサーサナ(頭を膝につけるポーズ)やパリヴリッタ・ウトゥカターサナ(ねじった椅子のポーズ)など、腰を丸めながら捻じるヨガポーズは、腰にかなりの圧力をかける可能性があります。
症状が悪化するようであれば、避けた方がいいポーズです。
もちろん軽度の狭窄症であれば、ある程度の捻じりは可能だと思います。
たとえば、両手と両膝をついた状態での針の糸通しのポーズ(パリヴリッタバラーサナ)、ウィンドシールドワイパーは腰の負担が少なく負荷量の自己コントロールもしやすいのでおすすめです。
戦士のポーズ(ウォーリア)IとIIも、狭窄症の人の多くが耐えられるような小さな捻りでしょう。
ちなみに狭窄症が背骨の右側にある場合、左に回転すると圧迫されている部分が除圧される可能性がありますが、圧迫されている部分に向かって右に回転すると症状が悪化する可能性があります。
要するに、捻りの方向によって痛みの出方は人によって変わるので、はじめはゆっくりと試すようにしてください。
痛みを伴う場合は、痛みの伴う側への捻りは避けた方がいいでしょう。
深い側屈
側屈とは、頭部や体幹の上部(腰から上)を真横に傾ける(曲げる)運動を言います。
前から見たときに、ちょうど身体を“くの字”に曲げるような運動です。
適度な側屈であれば、背骨を強化したり、除圧したりすることができます。
ですがやはり、無理に側屈を強いるまで行ってしまうと、症状を悪化させる可能性があります。
捻じりの場合と同様に、側屈は気持ちいいと感じる範囲で行い、片側に側屈することで圧迫感がある場合はヨガポーズをスキップしましょう。
門のポーズ(パリガーサナ)や立位での側屈のようなポーズでは、快適さを保つために必要な高さにとどまりましょう。
ロールアップして立たないこと
ロールアップとは仰向けで寝ている状態から、腹筋の力で上体を起こす動きです。
脊柱管狭窄症の方の多くが、前屈すると体が楽になる感覚を経験したことがあるのではないでしょうか。
ですが、座った状態もしくは立った状態で前屈するのと、仰向けから上体を起こすのとでは、メカニズムが大きく異なります。
ロールアップは、すぐに症状が出るかどうかにかかわらず、脊柱管狭窄症やその他の脊椎の問題を抱えている人には避けたほうがよいとされています。
なぜなら、重力に逆らって体重の半分を持ち上げる運動は、すでに弱っている腰にとってはとても大変な作業だからです。
また、ウッタナーサナ(スタンディングフォワードフォールドポーズ)も、ポーズを戻すときに重力に抗する動きとなりますので、注意が必要です。
腰や腹部の筋肉を使わずに背筋だけで体重を支えると、腰の筋肉、多裂筋、脊柱起立筋、椎間板などに負担がかかります。
対処法としては、膝を曲げたまま両手を太ももの上に添えて、背筋を伸ばして立ち上がるようにしましょう。
脊柱管狭窄症の人に試してほしいヨガポーズ
ここまでで、脊柱管狭窄症でやってはいけないヨガポーズを解説していきました。
ここまでの話を踏まえたうえで次にご紹介するポーズや動きは、脊柱管狭窄症の方にぜひ行ってほしいものです。
もちろん、これから提案するポーズで痛みやしびれが始まったり、増したりした場合は直ちに中止してください。
最も重要視してほしいのは、心地よいかどうか。
ヨガのポーズは気持ちよく行えれば、害にならないどころか、症状を軽減していくためにとても有効なんです。
具体的には以下の7つのヨガポーズです。
- 軽い前屈みの練習をする
- ニュートラルポジションを意識する
- 心と体のつながりを感じるために、ゆっくりと行う
- 体幹を鍛える
- 大腰筋のストレッチ
- 必要であれば座る
- 横向きで寝るか、足を高くする
それではまいりましょう。
軽い前屈みの練習をする
意外かもしれませんが、前屈をすると、狭窄症の症状が一時的に緩和されることがよくあります。
よく言われることとして、狭窄症の人はショッピングカートにつかまって前かがみになると楽になることが多いです。
さらに人によっては症状軽減を図るあまり、前かがみの姿勢を習慣的にとるケースもあります。
これは、前屈(まえかが)みになることで、脊柱管の直径が広がって神経や椎間板が圧迫されにくくなるからです。
狭窄症の人には軽い前傾姿勢を勧めますが、他の腰痛の診断を受けた人が通常受けるものとは正反対の生活指導です。
たとえば骨粗鬆症や前弯のある人には、後屈の指導をします。
ですが、狭窄症のある人は後屈をするとさらに圧迫される可能性があるのです。
ただし、前屈は徐々に行うべき。
理想的な前屈の量を見つけるためには、ゆっくりと移動し、プロップ、つまりブロック、ベルト、ブランケット、ボルスター、サンドバッグ、その他の道具を使ってコントロールするのが有効です。
たとえば、アルダウッターナーサナ(半分の立位前屈)からウッタナーサナ(立位前屈)へとフローを展開する場合、狭窄症の人は、まず手を太ももに当て、次にすねやブロックに当てて、低い位置で前屈するのが適切でしょう。
どこまで前屈すべきかは人によって異なります。
前屈の量は、症状が増すか減るかで判断するしかありません。
具体的には、パシモッタナーサナ(座った状態での前屈)やウッタナーサナのような深い前屈をすると楽になる人もいれば、アルダウッターナーサナ(半分の立位前屈)やウッタナーサナ(立位前屈)、仰向けになって片膝や両膝を胸に引き寄せるようなポーズをとるとよい人もいます。
ニュートラルポジションを意識する
腰部脊柱管狭窄症(LSS)の痛みを和らげるために前屈ポーズをおすすめしました。
ただし、レッスンのときだけ行って症状が良くなったとしても、残念ながら効果は短期的です。
どうすればいいのか。
それはヨガレッスン以外でも、脊柱のニュートラルポジション、つまりは痛みの出にくい姿勢はどのような姿勢なのか、を培うとよいでしょう。
「痛みの出にくい姿勢(ニュートラルポジション)=さらなる圧迫を避けて椎間関節、椎間板、椎体への過度な負担を軽減してくれる姿勢」です。
究極的には、痛みの出にくい姿勢を自然にとれるようになっていくことで、いずれはヨガをしなくてもよい日来るでしょう。
では脊柱のニュートラルポジションとは、どのような姿勢のことなのでしょうか?
脊柱のニュートラルポジションは、脊柱の自然なカーブが保たれた姿勢です。
さきほども解説しましたが、脊柱は横から見ると、S状にカーブを描いています。
脊柱のカーブがどのくらいあるかをセルフチェックする方法としては、壁を使います。
名付けて、「壁立ちポーズ」!
壁立ちポーズのチェックポイントは以下のイラストを参考にしてみてください。
ちなみに、壁立ちポーズをチェックし終わった後に足を2、3歩前へ踏み出し、膝を曲げて腰を壁につけるという「椅子のポーズ」の実践もできますよ。
少し話が反れましたね。
壁立ちポーズで培われたニュートラルポジションは、座位のポーズだけでなく、テーブルトップ(アルダ・プールヴォッタナーサナ)やプランクなどのポーズにも応用することができます。
脊柱管狭窄症で円背姿勢が変な癖になってしまっている人は、少しずつニュートラルポジションに戻していくと安全かつ効果的です。
また狭窄症の人が快適にポーズをとるためには、少しだけ前屈みになる必要があるかもしれません。
ですが大丈夫。
安心してください。
焦ってすぐに理想的な姿勢にしようとすると、痛みが出てきます。
大事なのは、ヨガポーズの形にこだわり過ぎるのではなく、症状を和らげる“あなたのポジション”を見つけてあげることです。
言い換えれば、ランジや戦士のポーズⅠで上半身を前傾して腰を丸めることは、狭窄症の人が痛みなくしっかりと直立できるようになるまで必要な過程なのかもしれません。
心と体のつながりを感じるために、ゆっくりと行う
狭窄症の人がヨガをするときには、「いまこの瞬間」に身を置くことが特に重要です。
それぞれのヨガポーズがもたらす感覚に気づきながら、痛みが増す前に止められるよう、練習は十分にゆっくりと行うようにしていきましょう。
また、ゆっくりとした練習であれば、ニュートラルな脊柱の姿勢を意識することも比較的簡単になるはずです。
ただし「ゆっくり」というのは、たとえわずかだとしてもニュートラルポジションからズレたポーズを長く続けるという意味ではありません。
ニュートラルポジションでないポーズを長く続けてはいけません。
ではどの程度なら許容できるのかというと、イメージとしては数回呼吸をしたらニュートラルに戻る感じです。
(もちろん、後屈や捻り、前屈などのポーズを長くとると症状が軽くなると知っているのであれば、話は変わりますが。)
ヨガを始めたばかりの人には、負荷調整のしやすいリストラティブヨガやジェントルヨガ、陰ヨガのレッスンが最適でしょう。
長年ヨガを続けていけば、より厳しい練習スタイルでも、自己認識を維持し、必要に応じて修正することができるようになっているはずです。
体幹を鍛える
腰椎を支えて除圧をするためには、体幹の強化が必要です。
腰痛持ちの方は、背中を丸める腹筋のような動きをするのではなく、背骨をニュートラルにして体幹を鍛えるポーズをとるとよいでしょう。
たとえばバードドッグ、プランクのポーズ、スタンディングバランスのポーズ、うつ伏せでのレッグリフトなどが体幹を鍛えるポーズです。
また、ムラ・バンダやウディヤナ・バンダを座った状態で楽に行ったり、他のポーズと組み合わせて行ったりすると、脊柱をより支えやすくなります。
いま紹介したヨガポーズを安定させる方法としては、息を吐くときに骨盤を起こしながらお腹を膨らませ、吸うときに解放するやり方も効果的です。
大腰筋のストレッチ
脊柱管狭窄症の人で、大腰筋が硬いために腰椎の前弯が大きくなっている人は、大腰筋をストレッチしてゆるめれば、脊柱をよりニュートラルポジションに保ちやすくなります。
大腰筋とは、上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉で、姿勢のために最も重要な筋肉のひとつです。
画像:お腹引き締めには腸腰筋(大腰筋と腸骨筋)が重要→大腰筋は上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉
大腰筋はインナーマッスルのひとつで、多くの人が硬く凝り固まっています。
大腰筋を伸ばすヨガのポーズには、アップライトランジ、胸を張った鳩のポーズ、ダンサーのポーズ、戦士のポーズなどがありますが、難しい場合はベッドの上でできる簡単ストレッチもおすすめです。
[ptimeline color=”yellow”]
[/ptimeline]
このとき、腰が反り過ぎないように意識を向けて行いましょう。
大腰筋が硬い人にとっては、今お伝えしたストレッチも難しい場合もあります。
難しい場合は、床に寝て膝を抱え込み、片足を伸ばして太ももを床に落とすだけでも、かなりのストレッチになって気持ちいいです。
注意点としては、狭窄症の方が大腰筋を伸ばそうとすると、不用意に腰を反らせてしまい、症状を悪化させてしまう危険性があります。
大腰筋を伸ばそうとすると、腰が反りすぎて症状が悪化することがありますので、常に腰を意識して行いましょう。
必要であれば座る
立っていると脊柱管狭窄症の症状が悪化し、座っていると症状が緩和される人も多いです。
立っていることで不快感が増すようであれば、遠慮なく休憩を取りましょう。
椅子に座るか、マットの上やボルスターの上に座って快適な姿勢をとりましょう。
椅子に座ってヨガポーズをとっていく「チェアヨガ」や、ボルスターやブランケットでサポートしながら横になって行う「リストラティブヨガ」などもおすすめです。
横向きで寝るか、足を高くする
狭窄症の症状がある方は、仰向けに寝るよりも、胎児のような姿勢で横向きに寝たり、背中が曲がる程度に膝を曲げたりした方が快適に過ごせることが多いです。
そこで、レッスンの最後に胎児のような姿勢で両足の間にボルスターや毛布を置いてリラックスしたり、ボルスターや椅子の上で足を高くして仰向けに寝て腰を解放したりしてみましょう。
オフザマットである日常生活も大切に
今回の記事で伝えた、あなたにとっての「やってはいけないヨガポーズ」と「試してほしいヨガポーズ」を守りつつ、ぜひマインドフル・ヨガの練習を通して培われた自己認識にも日常生活で触れてほしいです。
ヨガの世界ではよく「オフザマット」という言葉が使われます。
オフザマットとは、マットの上での気付きをマットの外で活かすことです。
平たく言うと、1時間のヨガレッスンで得た気付きを残りの23時間でも意識してみるということです。
日々の生活の中での行動が、自分の気持ちにどのような影響を与えているのかを気にしてみましょう。
自分の気持ちにどのような影響を与えているかを認識するためには、こんな質問を自分自身にしてみるのもアリです。
「どの活動が役に立っていますか?」
「反対に、あまり役に立たない活動は?」
もし、症状を悪化させるような動作があれば、その方法を変えてみてください。
腰に負担がかからないように体の位置を変えてみたり、肘を太ももにつけて座って前傾姿勢をとってみたり。
あるいは、呼吸を整えたり、気持ちが急いだりしないように心がけるのもいいかもしれません。
昼夜を問わず、脊柱の健康に気を配ることで、徐々に動作が楽になっていくことに気づけるはずです。
まとめ:リスク管理をしながらヨガを楽しむ方法
脊柱管狭窄症の人が「やってはいけないヨガポーズ」と「試してほしいヨガポーズ」を解説していきました。
たくさんの解説をしましたので、復習のためにも内容をもう一度まとめますね。
今回、たくさんの内容をお伝えしてしまいましたので、一人で全部を実践するのに難しく感じた人もいるかもしれませんね。
そんな人は、個別の心身機能に応じて適切な指導をしてくれるパーソナルヨガを受けてみるのもいいかもしれません。
世の中には多くのパーソナルヨガがありますが、おすすめなのは、「LAVAうちヨガ+」です。
LAVAうちヨガ+は、業界最大手のLAVAが運営をしているオンラインヨガです。
LAVAは世界で最も著名なヨガ資格である全米ヨガアライアンスの認定養成施設も運営しているので、いわゆる運動の専門家が数多くいます。
LAVAうちヨガ+にはグループレッスンとパーソナルレッスンがありますが、パーソナルヨガであれば、月額制ではなくチケット制でも受講できますので、試しに1度だけ受けてみるのもありです。
LAVAうちヨガ+の詳細は、過去に書いた以下の記事も参考にしてみてください。
脊柱管狭窄症であっても、ヨガは楽しめる。
むしろ、全身運動であるヨガは、わたしのクライアントさんに提供をさせていただいても、効果を実感する運動です。
辛い腰痛、しびれ、力の入りにくさを、リスク管理をしながらヨガをすることで改善を図っていきましょう。
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