生理中のヨガレッスンを受けていいのかどうかは、ヨガ業界ではまだ賛否両論ある問題です。
多くの生徒さんは、生理中のヨガレッスンは最小限にすべきと考えています。
確かに、生理中に練習するポーズは慎重に選ぶべきでしょう。
多くの女性は、生理中休息してヨガで言う内面を見つめる時間にしているはずです。
どの練習が自分の体に合っているかは、女性それぞれが判断すべきです。この時期は、自分の体の声に耳を傾けることが大切です。女性はそれぞれ、月経と自分の身体と魂の必要性を違った目で見ています。
ですがじつは、ヨガは、生理中のホルモンや心、身体の健康に良い影響を与えることが明らかになっているんです・・・!
「いやいやでも、ヨガポーズってレベルの高いものもあるし、生理中に禁止したほうがいいヨガポーズもあるでしょ?」
そう思った方は、全くもってその通りです。
そこでこの記事では、生理中のヨガが与える良い効果だけでなく、生理中のヨガでダメなポーズ、生理中におすすめのヨガポーズを解説していきます。
それでは、まいりましょう。
▼この記事の制作に協力いただいた方
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chiakiさん
■全米ヨガアライアンスRYT500
■power flow yoga®正式指導者
■Air Balance Yoga資格取得“ママになってもしなやかに“
ヨガを通して心や身体を健やかにするサポートをしている。
自身も17歳と15歳の子供たちの母。
忙しい毎日の中にも自分を見つめる時間の大切さを知り伝える活動をしている。
ホットヨガスタジオやスポーツクラブでレッスンを担当。
自身が運営する札苗ヨガクラスではオールレベルに合わせたレッスンやワークショップ、オンラインクラスを行っている。
Instagram:@_chiaki_yoga -
Risaさん
■全米ヨガアライアンスRYT200福岡市を中心にフリーランスで活動。
自宅でのパーソナルヨガ&オンラインヨガを提供中。身体の外側だけでなく心身共に整えることの出来る
ヨガに魅力を感じ、ヨガインストラクターへ転向。レッスンの難易度に関わらず常に呼吸を意識し
心身の軸を安定させる。
ヨガをする中で自分自身と向き合い、
私生活に戻った時に少しでも心に余裕ができるように。
そんなレッスンを提供していきたい。
Instagram:@810risa__
生理中のヨガの効果
女性の生理周期は、食生活、ストレスの度合い、気候などによって変化します。
女性はより敏感になり、他人に対する意識レベルが上がることも・・・。
ホルモンの変化による気分の落ち込みは、ネガティブな副作用といえるかもしれません。
ヨガは、こうしたホルモンのアンバランスを最小限に抑えるのに役立つのです。
瞑想や呼吸法、夜寝る前におすすめのヨガニードラは、この時期に休息をとりたい人に向いています。
ヨガには陰のポーズがあります。
陰のポーズは、穏やかなポーズなので、より長く練習することができるんです。
瞑想や呼吸法、ヨガニードラや陰のポーズは、女性がより地に足をつけ、内なる強さを引き出すのにも役立ちます。
ヨガは、深い眠りを促して睡眠の質を高め、女性が自分のための時間を確保するのにも役立ちます。
心地よいうたた寝のすべてが備わっていて、ヨガの眠りといわれている“ヨガニードラ”は、生理中にゆっくり過ごしたいという女性にもおすすめです。
ヨガでは、意識を集中させた体の特定の部分にエネルギーが流れると考えられています(ダーラナ)。
つまり生理痛のある部位を意識して深い呼吸をすれば、痛みやけいれんを和らげる効果も期待できるのです。
生理中におすすめのヨガポーズ
生理中にヨガをする場合は、体の声に注意深く耳を傾ける必要があります。
以下のポーズは、生理の副作用を軽減するのに役立ちます。
- 前屈のポーズ
- 緩やかなひねりのポーズ
- 緩やかな後屈のポーズ
生理中に行う効果や具体的なヨガポーズもお伝えしながら、解説していきますね。
前屈のポーズ
緩やかな前屈のヨガポーズは、腹圧を適度に高めて子宮への血流を促してくれます。
腹圧を適度に高められると、腹部や骨盤内の内臓や筋肉をほぐしてくれるマッサージ効果が生まれ、生理中のけいれんや出血過多を解消できる効果も期待できるのです。
生理中に、ヨガポーズと呼吸を組み合わせると、心を落ち着かせられるでしょう。
次の3つの前屈ポーズは、クッションやボルスターのサポートがあれば、生理中でも練習できます。
生理中のヨガは、無理せず優しく前屈をするようにしましょう。
ここでは、基本的な前屈のポーズを紹介します。
合蹠(がっせき)のポーズ(バッダコナーサナ)
長座体前屈(パスチモッターナーサナ)
前屈が大変な場合は、前ももの上にボルスターを置いて行ってみてください。
緩やかなねじりのポーズ
息を吐きながら優しくねじるヨガポーズは、腰痛や痙攣、うっ血を改善することができます。
大切なのは、ヨガポーズ前に深呼吸をして息を吐きながらねじる点。
ただし、ヨガ特有のねじりのポーズの中には、骨盤やお腹に過剰な刺激を与えるものもあるので、生理中は身体の反応に注意しながら実践していきましょう。
以下のねじりのヨガポーズを穏やかな気持ちで練習すると、骨盤周りをほぐして腰痛を最小限に抑えられます。
膝の下に毛布やボルスターを敷いて、呼吸を整えましょう。
簡単なひねりのポーズ(パリヴルタ・スカサナ)
仰向けの魚の王のポーズ(スプタ・マッツェーンドラーサナ)
緩やかな後屈のポーズ
生理痛や骨盤の不快感を軽減するために、緩やかな後屈ポーズも非常に効果的です。
というのも、後屈のポーズで体の前面をストレッチすれば、呼吸がしやすくなって、心身を整えられるからです。
強い後屈ポーズは、骨盤の靭帯に過度な圧力をかける可能性があるので、生理中のヨガではダメなポーズとなります。
以下の後屈は、生理痛を和らげるだけでなく、肩や腰の痛みにも効果的です。
スプタ・ヴァジュラーサナ
背中の下にボルスターや枕、丸めたバスタオルなどを置いて行いましょう。
コブラのポーズ(ブジャンガ・アーサナ)
橋のポーズ(セツバンダアーサナ)
仙骨の下、つまりお尻の下にヨガブロックを置くとポーズが楽になります。
生理中のヨガでダメなポーズ
ヨガのポーズの中には、「禁忌」と表現されるものがあります。
ヨガでいう禁忌とは、生徒さんにとって好ましくないポーズです。
- 逆転のポーズ
- 強い後屈
- 強いねじりのポーズ
以下では、絶対に行ってほしくない生理中のヨガでダメのポーズを具体的にお伝えしていきます。
逆転のポーズ
生理の副作用を軽減するのに役立つポーズもありますが、逆転のポーズは経血の排出に影響を与える可能性があるため、実践しない方がよいでしょう。
生理時に逆転のポーズを実践すると、重力によって血流の方向が変わってしまうのです。
またヨガの世界では、女性の生理中、体の中のエネルギーが下向きに流れるので、倒立によってエネルギーの流れが上向きに流れてしまうのも好ましくないと言われています。
このエネルギーはアパーナ・ヴァーユと呼ばれ、自然に尿や血液を安全に体外に排出させる働きがあるのです。
なので、逆転のポーズはエネルギーの流れに悪影響を及ぼす可能性があります。
ハンドスタンド(アドー・ムカ・ヴルカーサナ)
ヘッドスタンド(シルシャーサナ)
ショルダースタンド(サーランバサルヴァーンガーサナ)
強い後屈とねじりのポーズ
深い後屈は骨盤に過度な圧力やストレスを与える可能性があるため、行わない方がよいでしょう。
同じ理由で、深くねじることも避けたほうがよいでしょう。
骨盤に痛みや痙攣が残っている場合、後屈やねじりの深いポーズをとると、収縮が強まる可能性があります。
以下では、生理中のヨガでダメなポーズをご紹介します。
上向きの弓のポーズ(ウルドヴァ・ダヌラーサナ)
半分の魚の王のポーズ(アルダマッツェーンドラーサナ)
まとめ
生理中にヨガは良い効果もありますが、ダメなポーズもあります。
とはいえ、生理中のヨガは自身が最も快適だと感じるものを自分で選ぶようにしましょう。
なぜなら、自分の体のことは自分が一番よく知っているからです。
自分の体の声に耳を傾け、自分の気持ちに従ってヨガをするために、今回の記事が少しでも役立つヒントになれれば、嬉しいです。
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