「プラーナヤーマの呼吸法で体調を整えたい」
「プラーナヤーマの種類がたくさんあって、何から始めたらいいのかわからない」
「そもそもプラーナヤーマって何?」
ヨガ発祥の地、インドではサンスクリット語が使用されていますが、プラーナヤーマはサンスクリット語で呼吸を意味しています。
ただし、プラーナヤーマは普段私たちが行っている呼吸とは少し違います。
じつはプラーナヤーマは仕事のストレスや軽いうつ状態から、本来の状態に心を調(ととの)えてくれる呼吸法なのです。
本来の状態に心を調えられることから、プラーナヤーマは気や精神的、知的、頭脳的、物理的エネルギー、生命エネルギー、宇宙をコントロールできると解説されるケースもあります。
この記事では、プラーナヤーマについてわかりやすく解説しつつ、人生を前向きに捉えられる心身状態にするために有効な呼吸法のやり方までお伝えしていきます。
こんにちは。RYT200を取得してヨガインストラクター歴10年のかおりです。一度気持ちが落ち込んでしまうと、何もやる気がなくなってしまうので、自力で戻ってくるのは本当に難しい・・・。
なので、気持ちが落ち切ってしまう前に、セルフケアで予防をすることがとても大切です。
今回はおうちで、道具も何も使わずに、簡単に心を調えられるプラーナヤーマの呼吸法を紹介していきます。
プラーナヤーマとは
プラーナヤーマとは、簡単に言うと呼吸法のことです。
「プラーナ」はエネルギー、「アーヤーマ」はコントロールする、という二つの言葉が組み合わされています。
エネルギーやコントロールと聞くと難しく感じるかもしれませんね。
ですがそう難しく考えすぎず、快適な呼吸をしていくものだと思ってください。
ヨガでは理想的で快適な呼吸を行うことも、プラクティスの1つなのです。
人間は酸素なしでは生きられません。
なので呼吸はとても大事なのですが、なぜか見落とされがちです。
呼吸は心と体に密接に結びついていて、多大な影響を与えます。
呼吸が乱れると心と体も乱れますし、逆に呼吸が調うと心と身体も調います。
快適な呼吸をしながら心と身体を調えていくのが、プラーナヤーマなのです。
そんなプラーナヤーマのやり方を初心者の人でもできる方法でお伝えしていきます。
プラーナヤーマのやり方【初心者向け】
プラーナヤーマのやり方をお伝えする前に、より効果的にするために知っておいてほしい「呼吸に関わる解剖的知識」が少しだけあります。
具体的には、「自律神経」と「呼吸のときに使われる筋肉」の話です。
呼吸は運動神経と自律神経の二つの神経に支配されています。
自律神経は自分の意思ではコントロールしにくいですが、運動神経は筋肉とつながっているのでコントロールしやすいです。
呼吸は横隔膜という膜状の筋肉を動かして、息を吸ったり、吐いたり、しています。
吸う息と吐く息。
この2つのバランスをとって呼吸をするのがプラーナヤーマです。
プラーナヤーマにはいろいろな種類の呼吸法があります。
- 完全呼吸(ダーガプラーナヤーマ)
- 気道を清める呼吸(ナディショダナープラーナヤーマ)
- 勝利の呼吸(ウジャイプラナヤーマ)
- 呼吸音のヨガ(スヴァラ・ヨガ・プラーナヤーマ)
- 止息(クンバカプラーナヤーマ)
- 片鼻呼吸法(スーリヤベーダナプラーナヤーマ)
- 獅子のポーズ(シムハーサナ)
- 頭蓋骨を輝かせる呼吸法(カパラバティプラーナヤーマ)
- 鹿のムドラー(ムリギームドラー)
プラーナヤーマは種類が多すぎて、結局どの呼吸法がいいのかわかりにくいですよね。
そこで今回は、わたしがよく利用する「完全呼吸法」と「ナディショダナー」という方法について解説します。それぞれ効果が異なりますので、いまのあなたによりピッタリな方を選んで試してみてくださいね。
完全呼吸法のやり方と効果
効果①:より多くの酸素が取り込める
うまく呼吸ができると、最大で通常の7倍もの酸素を取り入れられると言われています。
全身に多くの酸素が行き渡るので、細胞が活性化されます。
体の細胞が活性化されれば、元気でエネルギッシュに過ごすことができるように。
脳細胞も活性化されるので、何か嫌なことが起こったときでも冷静な判断ができるようになるので一度心を落ち着かせやすくなります。
冷静な判断は仕事の効率アップも期待できます。
効果②:マインドを沈められる
深く大きな呼吸をすると自律神経が調い、気持ちが落ち着く効果が期待できます。
”落ち着く”と言うと、なにかが減るイメージがあるので、マイナスになるイメージを持つ方がいるかもしれません。
また人によっては、怒りで激情していたり、うつで気分が落ちていたり、感情の上がり下がりがあって悩んでいるケースもあるはずです。
感情の上がり下がりという、相反(あいはん)するベクトル。
相反する感情をたとえるなら、感情の荒波が立っている状態と一緒です。
感情の波を落ち着かせる、と言うイメージで完全呼吸法を行うと、より効果的な呼吸法となります。
効果③:冷え性改善
呼吸が乱れると自律神経が乱れ、血行が悪くなることで冷えの原因になることがあります。
そして呼吸が乱れる原因はストレスなどで筋肉や血管の緊張状態が続いていることである場合があります。
完全呼吸法はたくさんの酸素を体内に取り入れ、同時に副交感神経を優位にします。
副交感神経が優位になると体がリラックスモードになり、緊張状態だった筋肉や血管が緩まり、血行が良くなるので、体が温かくなるので冷え性改善にもつながります。
冷え性が改善できれば、夜の寝つきも良くなります。
今よりもグッスリ眠れるようになったら、たとえ日中に心身ストレスを受けたとしても、回復してまた新しい1日を迎えられるはずです。
効果④:疲労回復が早くなる
呼吸能力が低下している状態、たとえば浅い呼吸となってしまっていると、自律神経の関係で筋肉は常に緊張してしまいます。
筋肉が常に緊張してしまったら、誰でも疲労が取れませんよね。
反対に、筋肉の適度な緊張が保てていると、疲労物質などを上手に流してくれます。
完全呼吸法を行うと、筋肉の緊張を適度に保ち、意識的に疲労感を早く取り除くことができるのです。
身体の疲弊によって心にも悪い影響が及びますので、身体の疲れを取るのは鬱対策にとても大切になります。
効果⑤:頭痛の緩和
浅い呼吸は肩周りの筋肉を多用します。
じつは肩回りの筋肉は、頭を覆うかのように存在する薄い筋肉とつながっているんです。
肩回りの筋肉と頭の筋肉はつながっていますので、肩回りの筋肉が硬くなれば、頭の筋肉も当然硬くなり、コリや張りが生まれてしまって痛みを伴う場合も。
要するに、頭の筋肉のコリや張りが原因の頭痛は、完全呼吸法によって深い呼吸をできるようになるので、頭痛の緩和が期待できるのです。
私もそうなのですが、頭が痛いと何も手につかなくなり、気持ちも落ち込むことが増えてしまうので、頭痛へのアプローチはとても有効だと思います。
ナディショダナーのやり方と効果
効果①:浄化作用
右の鼻孔は体に熱を与える太陽(ハ”HA”)のエネルギー・左の鼻孔からは身体の熱を冷ます月(タ”THA”)のエネルギーが通っていると言われています。
陽である太陽のエネルギーは活発さ、緊張感、興奮感を生み出し、陰である月のエネルギーはリラックス感、落ち着き、穏やかさを生み出す力です。
陽と陰は、多くの人が乱れており、不安感や疾病につながりやすい状態に。
そんな陰と陽は、交互に呼吸することでバランスが整っていき、神経も浄化されます。
陽と陰が調和されて神経が浄化されれば、ハタヨガの目的である幸福と健康をもたらしてくれるのです。
また濁ったエネルギーが浄化されることで思考もクリアになり、ネガティブな気持ちになりにくくなるでしょう。
効果②:リラックス効果
陰陽のバランスがとれるため、神経が落ち着き、リラックス効果が期待できます。
脳がリラックスできると、自然と体の力も抜けていき、トゲトゲした気持ちも落ち着いていきます。
落ち着いた状態では、普段は怒ってしまうようなことでも、受け流すことができる余裕が生まれてきます。
効果③:集中力アップ
完全呼吸法と同じく、たくさんの酸素を取り入れるので、脳が活性化し、集中力がアップします。
感情が荒立っている場合はナディショダナーを行うことで気持ちを落ち着かせましょう。
冷静な判断ができるようになることで、仕事や勉強も落ち着いてできるようになるので、いつもより集中して行うことができるようになります。
また落ち着いている人がこれを行うと、より集中力がアップして、仕事や勉強の効率も上がることが期待できます。
心と体を繋げる「呼吸」
ここまでで何度もお伝えしていますが、心と体は繋がっていて、お互いに影響を与え合っています。
何かの出来事をきっかけに、全てが反応し、どこかが崩れてしまうと、他にも影響して連鎖してしまいます。
そうならないよう、自分で意識的にコントロールして、バランスを保つことが大事なのです。
バランスを保つ方法として心でも体でも呼吸でも、どこからでもアプローチができますが、一番簡単で自身の力で操作しやすいのが「呼吸」なのです。
私たちは、生まれてから立ち方や歩き方、話し方や食事の仕方は教わりますが、呼吸の仕方を教わる場面はなかなかありません。
なぜなら、生まれた瞬間から呼吸ができているからです。
普段から当たり前にしている呼吸。
そんな呼吸の力を最大限に引き出せられれば、心と身体をつなげられるようになり、多くの悩みを解決できるようになるはずです。
私の鬱体験
私も過去に、軽い鬱になりました。
今思い返すと、外的要因でメンタルをやられたことに加え、その頃は呼吸への意識も遠ざかっていていました。
浅い呼吸になっていたり、下を向くことが多かったり、感情がネガティブになりやすい状況が整っていたのかも知れません。
そして、本当に怖いのが、一度落ちてしまうと何もやる気がなくなってしまいます。
何もかもがどうでも良くなるので、そもそも”なんとかしよう”という気持ちが薄れてしまうのが一番怖いところです。
だんだん時間が経つにつれて、「いい加減そろそろどうにかしなくちゃ・・」という思いが、うっすら出ては来るものの、だからと言ってまだ自分から行動するまでにはパワーが足りません。
モヤモヤとした期間が続くこともあります。
運動や勉強、人に会うというのはとてもパワーがいることです。
例えるなら、気持ちのHPが、どん底が1だとすると、HP5くらいになったところで、なかなか行動には移せませんでした。
(自分から行動するには私の場合HP30くらい必要、だと思っています。もちろんこの数値は人によりますが。)
心が向こう側へ落ちる前に
だからこそ、落ちる前に予防することが大事なのです。
予防策として自分ではなく、周りの人や物(お酒やタバコやその他嗜好品)に依存してしまう人もいるかもしれません。
ですがもし頼っていたものがなくなってしまうと、心が落ちたときに這い上がれなくなってしまうので、とても危険です。
一人一人が自分自身で、予防する術をぜひ身につけて欲しいと思います。
そして、少しでも心や体に異変を感じたら、手遅れになる前に、すぐに呼吸を整える意識を持ってみてほしいです。
もちろん手遅れというギリギリの状況だけでなく、普段からいつも調子の良い状態でいれるために、試してみて欲しいと思います。
今回紹介した「完全呼吸法」と「ナディショダナー」という2つの呼吸法は集中力アップも期待できるので、気持ちが前向きになり、仕事効率アップも期待できますよ。
プラーナヤーマは、道具もいらない、自分の体一つでできて簡単に取り入れられる、とても手軽な方法です。どこにいても意識ひとつで実践できるので、よかったらぜひ試してみてくださいね。
【最後に】心が元気であるためには、体も元気である必要がある
怪我や病気で苦しんでいるときに、心の底から明るく楽しく過ごすのはむずかしいですよね?
ちょっとした痛みでも、心にストレスを与えてしまい、いつもなら怒らない事柄に対しても、すぐにイラッとして怒ってしまうことがないでしょうか?
心と体は繋がっているという話と同じで、心が元気でいるためには体も元気でいる必要があります。
健康な体が、健やかな心を保ってくれるのです。
心を健康に保つためにも適度な運動などで体も健康であることを、ぜひ心がけてみて欲しいと思います。
コメント
コメント一覧 (1件)
ワタシ、コスモブライトの上野式生命素子プラーナ療法を
習い、タクティクスブリージングだけ
たまに使います。
ペンタゴン採用です。
しかし、プラーナ活性化法の意味は
わかりません。
何が目的なんですか?