「キャンドル瞑想のやり方が知りたい」
「キャンドル瞑想にはどんな効果があるの?」
キャンドル瞑想はリラックスと集中力を高める効果があると言われている瞑想法です。
こんにちは!ロウソクの炎は”消すもの”ではなく、”見つめるもの”だと信じているチカです。
人の集中力は約8秒しか保てないという説もありますが、集中力は生活の仕方によってもっと高められると思っています。
では、ロウソクの炎を凝視するだけで、心を静め、落ち着かせるのはできるのでしょうか?
答えは「イエス」です。
過去の研究より、キャンドル瞑想は、精神的健康や他者とのつながり、集中力を高めるのに役立つとわかっています。
この記事では、キャンドル瞑想のやり方や効果、ロウソクを見つめるのは目にとって安全なのかについて、解説していきます。
「最近、感情が波のように荒立っているな・・・」「物事に集中できていないな・・・」と感じた経験のある人には特に読んでほしい記事です。
この記事を読み終えたころには、キャンドル瞑想で心のなかのモヤモヤが晴れて、毎朝起きるのが楽しみになるはず。
それでは、まいりましょう。
キャンドル瞑想とは?
キャンドル瞑想は、簡単に言うと、ロウソクの炎を見つめながら行う瞑想です。
ハタヨガの浄化法のひとつになります。
キャンドル瞑想はトラタカ瞑想、またはヨギック・ガジングとも呼ばれます。
サンスクリット語で、「トラタカ」は「見る」「凝視する」という意味です。
SNSの発展やCOVID-19など、心を集中させて、落ち着いた状態を作り出すのが難しくなってきています。
情報過多の現代だからこそ、ひとつに集中する時間も大切です。
なぜなら、なにかに集中する時間は思考を整理して心身をリフレッシュできるから。
ひとつのものを見ているときは、集中し、心を空っぽにするのに役立ちます。
そこで登場したのが、キャンドル瞑想というわけです。
歴史と文化的背景
キャンドル瞑想のルーツは、古代インドにあります。
15世紀のサンスクリット語のヨガに関するマニュアル「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー」に、トラタカの初期の記載を見つけることができます。
2018年の研究論文によると、生徒に対して、「目が涙でいっぱいになるまで、小さな印をじっと見つめる」ように指示しています。
彼らはトラタカが眼病を治すのに役立つと信じていたのです。
同じくサンスクリット語のマニュアル「ゲランダ・サムヒター」にも、同様にこの修行法が記されています。
2016年の研究では、視覚集中が認知能力に及ぼす影響を調べています。
視覚集中に関する研究によると、ハタ・ヨーガ・プラディーピカーが、心身を浄化し整えるための浄化法の1つとしています。
要するに、視覚を利用した心身浄化法としてキャンドル瞑想が生まれたっていうわけだね!
アーユルヴェーダにおけるキャンドル瞑想
アーユルヴェーダの視点でみると、キャンドル瞑想は集中力を高め、新たなものに挑戦する力を養う効果があります。
そもそもアーユルヴェーダとは何かというと、世界三代医学のひとつです。
インド伝統医学であるアーユルヴェーダには以下の五大元素があります。
- 空(聴覚)
- 風(触覚)
- 火(視覚)
- 水(味覚)
- 地(嗅覚)
アーユルヴェーダでは、ドーシャと呼ばれる五大要素の3つの基本的な組み合わせがあります。
ドーシャは人の心身の健康を支配すると考えられているものです。
- ヴァータ(空と風)。動きを司るエネルギー。プラナ(生命エネルギー、運動)が重要な要素。
- ピッタ(火)。消化を司るエネルギー。消化や代謝、酵素など物体に変化をもたらす要素。
- カファ(水と土)。結びを生み出すエネルギー。結合や個体性といった要素。
元素の中でも火は、集中力と認知力に役立ちます。
脳の灰白質(処理能力)と関係があるのです。
キャンドル瞑想は火の要素を呼び起こせます。
すると、心が洗練され、集中力、認識力、精神的な明晰さが高められるのです。
キャンドル瞑想の効果
キャンドル瞑想の効果は以下の5つがあります。
- パフォーマンスと集中力の向上
- 記憶力と空間的注意力の向上
- メンタルヘルスの向上
- 睡眠の質向上
- 目の健康状態の改善
キャンドル瞑想と上記効果との関係性を簡単に解説していきますね。
パフォーマンスと集中力の向上
じつは集中力に問題のある人は、常に目を動かしているのをご存知ですか?
常に目が動いてしまう理由は、心が不安定になっているからです。
キャンドル瞑想でロウソクを見つめると、集中力が高まります。
また、集中力が鍛えられるので、パフォーマンスを向上させる手段にもなるんです。
2021年の研究では、37の論文で、キャンドル瞑想(トラタカ)が認知力を高めることが示されました。
同じ年の41人のボランティアによる小規模な研究は、一時的に情報を記憶・処理する能力であるワーキングメモリや空間認知能力を高められる結果が出ています。
2016年の研究では、キャンドル瞑想が選択的注意(多くの情報のなかから必要な情報を選択する能力)、認知的柔軟性(環境に応じて考え方を柔軟に変化させる能力)、行動の抑制を強化する可能性があると報告しています。
2014年の高齢者を対象とした研究は、キャンドル瞑想が高齢者集団の認知力を向上させる可能性があると結論付けています。
難しい言葉も出てきたけど、つまりは集中力がアップするってことね!
メンタルヘルスの向上
瞑想は昔からストレス解消やリラクゼーションのツールとして使われてきました。
2021年の研究では、キャンドル瞑想(トラタカ)に心をリラックスさせる効果が期待できるとされています。また思春期の学生を対象とした2020年の研究でも、不安を軽減するのにキャンドル瞑想が有益だと報告しています。
また、ロウソクを見つめるキャンドル瞑想は、内的または直感的な目としても知られる第三の目(第6チャクラ)が利用されます。
すると物質世界を超えて、心を落ち着かせることができると言われています。
額の中央、眉間のすぐ上にあるとされる第3の目。
第3の目は、物事の本質を捉える能力に関係しているチャクラです。
また、キャンドル瞑想は涙を誘うので、浄化作用も期待できます。
目が潤むまで行うと、目の表面のゴミを取り除くだけでなく、心に溜まったゴミを取り除く浄化作用があるのです。
さらにキャンドル瞑想は、単に安らぎをもたらすだけではありません。
キャンドル瞑想は、内なる強さをもたらしてくれます。
内面的な強さがあれば、日々の生活にうまく対処できるようになるのです。
たとえば、イライラする出来事に対して感情的になり過ぎる心をコントロールしやすくなります。
結果的に、周囲の仲間と調和ができるようになるので、より良い環境のなかで生活ができるようになるでしょう。
睡眠の質向上
キャンドル瞑想(トラタカ)はリラックス効果があるので、睡眠の質も向上できます。
不眠症の参加者29人を対象とした2020年の小規模研究によると、キャンドル瞑想を毎日45分間、10日間実践すると、不眠症の重症度が下がり、睡眠の質が向上する可能性があるとされています。
目の健康状態の改善
ハタヨガの経典「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー」には、キャンドル瞑想が眼病予防や治療のサポートに役立つと記されています。
しかし、最近の科学的な研究では、さまざまな意見があります。
- 2021年の研究では、キャンドル瞑想が目の障害を助ける役割を果たさないと示唆しました。
- 2018年の研究は、キャンドル瞑想が緑内障の患者の眼圧を下げるかもしれないと示しました。
- 2021年のランダム化比較試験では、2型糖尿病患者の眼圧を改善するのに役立つかもしれないと述べています。
- 2014年の研究は8歳から30歳までの60人を対象とし、近視の改善はみられなかったとしています。
- 2018年の研究でも、キャンドル瞑想は近視の治療法として有効ではないと示されました。
要するに、眼圧を下げる効果はあるけど、眼圧以外の目の症状改善はあまり期待し過ぎない方がいいよってわけだね。
キャンドル瞑想は安全?
キャンドル瞑想が実際に視力に効果があるかどうかは、まだ判断がつかないかもしれませんが、一般的には、ほとんどの人にとって安全な方法だと考えられています。
安全な方法ではあるのですが、注意すべき点はあります。
具体的には以下に該当する方は、キャンドル瞑想をお勧めできません。
- 薬物やアルコールを摂取している
- 発作を起こしやすい方
- 近視、緑内障、重い眼病がある。
- 統合失調症など、精神病を伴う精神疾患をお持ちの方
キャンドル瞑想のやり方
次に、キャンドル瞑想のやり方を解説します。
どの時間帯に行うのがおすすめなのか、実施時間、雑念との向き合い方についてもお伝えしていきます。
キャンドル瞑想のやり方10STEP
キャンドル瞑想のやり方として、次のような手順を提案します。
[ptimeline color=”yellow”]
[/ptimeline]
初心者は朝がおすすめ
特に初心者の方は、朝一番にキャンドル瞑想を行うのがおすすめ。
なぜなら朝は脳が最も活動しやすく、キャンドル瞑想に集中しやすいからです。
とはいえ、「朝は忙しくて時間がとれない」という人もいると思います。
そんな人には夜に行うキャンドル瞑想でもよいでしょう。
確かに一日の終わりの時間、疲れているときに新しい行動を始めるのは難しいかもしれません。
ですが、眠れない場合は、一日の終わりにキャンドル瞑想も効果的。
さきほどもお話ししましたが、キャンドル瞑想には睡眠の質を高める効果があるからです。
実施時間
実施時間は3〜5分で十分です。
初心者は5分以内の短い時間から始めると、最高のキャンドル瞑想体験ができます。
もっと長く練習したいと思ったら、実際に炎がない場面でも炎をイメージしてみるのもよいでしょう。
というのも、初めは達成可能な範囲で始めるべきだからです。
達成できない範囲の行動になってしまうと、継続が難しくなり、「キャンドル瞑想って効果ないじゃん・・・」という感情を強化するだけになってしまいます。
雑念との向き合い方
雑念となる思考は、どれだけキャンドル瞑想の経験があったとしても、頭の中にポップアップ表示されるかのように現れます。
そんなときは雑念を炎の中に入れるイメージをしてみましょう。
思い出す価値のあるものは、キャンドル瞑想の終盤に明確になると信じてください。
キャンドル瞑想の経験を積んでいくうちに、物事の本質を見極める“第三の目”とのつながりを感じるかもしれません。
第三の目とのつながりは、背骨から首、脳幹、脳の中心、眉間を通って、ピリピリとした軽い感覚として感じられる人もいます。
ですが、「第三の目を覚醒させよう」などの特定の収穫を期待して練習に臨まないほうがよいでしょう。
むしろ、何が出てくるかに対してオープンな気持ちでいるのが大切です。
キャンドル瞑想を毎日する歯磨きのように儀式化するのもいいでしょう。
儀式化すれば、自分自身との関係を強化できるのです。
ティーチングを聞きながらキャンドル瞑想をしたい場合
「キャンドル瞑想のやり方はわかったけど、ヨガ講師のティーチングを聞きながら実践する時間を作りたい」という人もいるはずです。
そんな人のために、キャンドル瞑想の質をより高めるティーチングの言葉をお送りします。
よかったらぜひ、下記のティーチングをみながら、キャンドル瞑想に深みを入れ込んでみてくださいね。
楽な姿勢になります。あなたの視線は、焦点を合わせるポイントにそっと寄り添うようにします。
目を開けている場合は、まばたきをせずにロウソクを見つめますが、まばたきをしながら見つめると目が潤んできます。目を閉じて、自分の内なる光や思考について考える時間もできます。
基礎・土台を築きたいとか、愛と思いやりを他者へ送りたいとか、イノベーションを生み出したいとか、感謝されたいとか。あなたの思考が何であれ、すべて美しく、正しいものです。
感じたすべてがあなたのものです。
もし、何に焦点を当てるかわからない場合は、キャンドルをみつめて好奇心が生み出される空間であるとポジティブに捉えてあげましょう。
心を穏やかにして、好奇心旺盛な自身の心のための時間だと受け入れてあげたり、瞑想やヨガのアーサナ練習にエネルギーを与えたりします。
キャンドルが灯った時間を忘れられる神聖な空間で、加速する心を一時停止してゆっくりとした時間を過ごしてみましょう。神聖さと自身の愛で包まれた空間で過ごす今の時間は、あなたのヨガと瞑想を生き生きとさせ、生活の中に土台を築いてあげる方法です。
準備ができたら、両手を合掌して目の上に置き、目を閉じます。あるいは、目を開けて、カップ状にした手で目を覆い、暗闇を見つめるのもよいでしょう。
自分自身の心を優しくマッサージしてあげましょう。
外側の光と内側の光につながる時間を取った自分自身に、感謝の気持ちを送ります。
ロウソクに感謝し、火がついていたら吹き消してください。あなたの瞑想は完了です。
「朝のキャンドル瞑想をオンラインレッスンで受けたい!」という人には、オンラインヨガSOELUがおすすめです。
オンラインヨガSOELUなら、LIVEレッスンもありますので、瞑想レッスンを探して受講するのもよいでしょう。
オンラインヨガSOELUについて興味のある方は、過去に書いた以下の記事をぜひ参考にしてみてくださいね。
キャンドル瞑想に必要なもの
結論から言うと、キャンドル瞑想の実践に必要なものは少ないです。
なぜならキャンドル瞑想は身近な瞑想法だからです。
ただ、必需品としては以下のものがあります。
- 光源または火源(通常、ろうそく)
- キャンドルを置くのに適した安定面
- 座り心地の良い場所
- 暗くて静かな部屋または空間
上記から遊び心を持って、部屋や空間をデザインすれば、五感をより活性化させられるでしょう。
具体的なデザイン方法としては以下のいずれかを空間に添えるのがおすすめです。
- 自然物
- 水
- 石
- 花
- インスピレーションを得るための日記や本
- 神聖な存在、先生、愛する人、あなたが心に抱いている人々やコミュニティの写真
他にも空間をデザインするためにおすすめの瞑想グッズは過去に書いた以下の記事で紹介しています。
よかったらぜひ、参考にしてみてくださいね。
光源
キャンドル瞑想は一般的にはロウソクを使って行いますが、“日の出の最初の5分間と日没の最後の5分間”は、代わりに太陽を使うのもおすすめです。
ラベンダー、サンダルウッド、ローズなどの香りのキャンドルを使って、軽いアロマテラピーを取り入れるのもよいでしょう。
もちろん香りが苦手な人は必要ありません。
ちなみに瞑想に白いロウソクを使うのは、明白さとシンプルさを連想させるからなんだよ!
環境
瞑想空間は、暑すぎず寒すぎず、自分にとって快適と感じる温度で行いましょう。
また、暗くて静かであると尚良し。
集中するために音楽はかけない方がいいと言われますが、平和的な曲であれば問題ありません。
またリクライニングチェアや回転椅子には座らないでください。
理由は姿勢が崩れてしまうからです。
ダイニングチェアやマットの上にあぐらをかくなど、背筋を伸ばして座れるものを選びましょう。
瞑想用のクッションを使えば、姿勢を崩すことなく、より快適に過ごすことができるかもしれません。
よくある質問
キャンドル瞑想について、ここからリンク編集部へ寄せられたよくある質問を以下にFAQ形式で用意しました。
キャンドル瞑想についてより知識を深めたい場合はぜひ参考にしてみてくださいね。
キャンドル瞑想は目に悪い?
キャンドル瞑想が目に悪いかどうかについての研究は限られていますが、専門家は、既存の目の障害や精神病の既往症がない人には一般的に安全だと考えています。
伝統的なアーユルヴェーダには、目の病気の治療に役立つと書かれていますが、現代の研究ではさまざまなことが言われています。
どのくらいやればいいの?
過去の研究によると、瞑想時間の長さは、経験値やスケジュール、ぞれぞれの好みによって異なるとされています。
初心者の場合は、1~5分など、自分にとって達成可能な短い時間から始めるのがおすすめです。
特に、集中力が必要な練習なので、現実的な目標を設定しましょう。
スピリチュアルな効果は?
キャンドル瞑想(トラタカ)は、心、体、精神のバランスを考えてアプローチできる健康法のひとつです。
スピリチュアルな効果として、次のようなことが考えられています。
- 過剰なラジャス(情熱、行動、運動)の調整
- サットヴァ(意識と明白さ)の向上
- 直感的・霊的な感覚の向上
ただし、上記の効果を裏付ける科学的根拠はありません。
キャンドル瞑想のメリットは何ですか?
キャンドル瞑想のメリットは、人によって異なります。
ロウソクを1~3分ほど見つめると、目が潤んできて、まばたきが必要になります。
つまりキャンドル瞑想は、よりリラックスして集中できるようになるかもしれません。
また注意力や記憶力が高まり、よく眠れるようになるメリットも期待できます。
ただし人によっては、キャンドル瞑想から何のメリットも得られないケースもあるかもしれません。
継続的に瞑想をすればするほど、メリットが現れる可能性が高くなります。
キャンドル瞑想に関係するチャクラは?
キャンドル瞑想は、アジュナチャクラ(第三の目のチャクラ)に関連しています。
アジュナチャクラ直観の目としても知られ、物質的な世界を超えて物事の本質をみる能力だと信じられています。
スピリチュアリティ、知覚、直感、そして繋がりと関連しているチャクラです。
まとめ
キャンドル瞑想は、何世紀にもわたって伝えられている伝統的な瞑想です。
アーユルヴェーダの教えの一部であり、古代のヨガのテキストにも記載されています。
トラタカとも呼ばれるキャンドル瞑想は、ロウソクのような1つの物体に数分間、あるいはそれ以上集中する瞑想です。
したがってキャンドル瞑想は、集中力、認知力、メンタルヘルス、睡眠、スピリチュアルな健康状態を改善する可能性があると言われています。
これらの効果を断言するためには、より多くの研究が必要です。
でも、ひとつ言えるのは、キャンドル瞑想は「今この瞬間」を大切にできるということ。
飛び回る感情に振り回されずに、本来の自分を取り戻すために、キャンドル瞑想は有用なツールです。
はじめはほんの1分でもいいです。
せわしなく時間が過ぎていく毎日にキャンドル瞑想を取り入れて、心身を整えていきましょう。
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